私が所属するチームのうちの一つが危機的な状況にある。
主任も副主任も必死でやっているが、チーム崩壊の危機という状況だ。
メンバーのモチベーションも限界ギリギリのところだ。
こんな崖っぷちの状況が訪れたとき、いつも頭に浮かぶのは、ルパン三世劇場版で、ルパン、次元、五右衛門がカーチェイスで敵に追われて、崖から落ちそうになるが数分間、道路から剥がれたガードレールの上を運転するシーンだ。
その間、ルパンは眉ひとつ動かすことなくハンドルを操作し、次元は助手席でタバコを悠々と燻らし、五右衛門は後部座席で瞑想している。
3人とも一言も発することなく、その危機を切り抜けることを確信したかのような態度であり続ける。
そして、無事にその危機を脱する。
また、司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」で、坂本龍馬が夜の街を一人歩くとき、刺客が背後から付けてきていることに気づくシーンがある。
そこでも、竜馬は表情を変えず、後ろを振り返ることもなく、同じペースで歩き続ける。
一瞬、背後から切られることを想像する。しかし、そうなったとしても、ただ自分が死ぬだけのこと、大したことじゃない、と考え歩き続ける。
そして、刺客から命を取られることなくその場を離れるのだ。
危機に直面したとき、その危機を切り抜けたいとき、大切なのは態度。
このことは覚えておいて損はない。
冒頭の危機的状況のチームにも、その精神を持ち込もうと思う。